【コミケ】超こだわりの「評論系」　取材に600時間、その年の全アニメ映画レビューをコミケで発表

◆「既存展開」の予習も徹底
　鑑賞した作品を公開順にレビューしており、粗筋や寸評のほか、原作やテレビアニメなどの「既存展開」も押さえている。2022年は76本分を1冊にまとめた。「インディーズや映画祭のようなイベント限定などでは漏れがあるかもしれないが、劇場で公開された作品は全て見ているはず」と自負する。

ビジュアルも見せたいと、パンフレットの表紙の写真も掲載。ない場合は、ポスターやフライヤー、入場者特典などで代替する徹底ぶり。それぞれの評もきっちり記されている。「キャラクターの絵があると、世界観が伝わりやすい。表紙にタイトルしか載ってないものもあるが…」

鑑賞料金やパンフレット代、交通費など年間40万円ほどの出費があるが、何より大変なのは「とにかく時間がないこと」と苦笑。既存展開の「予習」も含め、年間約600時間は必要という。「背景がよくわからない作品は、しっかり調べてから見ないと感想も書けない。アニメはかなりの知識を前提とするハイコンテクストなものなので」

◆本職は理系の研究職
　大学時代は漫画情報サークルに所属し、当時からコミケには参加していた。個人での活動は就職してからだ。理系の研究職として勤める会社員で多忙な時期もあるが、上映期間が短かったり、遠方でしか公開されない作品があれば合間を縫って何としても鑑賞。公開情報はインターネットを中心にチェックし、ミニシアターには直接出向いてスケジュールを確認するなどしており、ほぼ毎週、アニメ映画を見ている。

続きは東京新聞 2023年12月22日 16時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/295615