時給換算100円…締め切りに追われ　「ブラック」なアニメ業界に「ホワイト」中国系が進出

　海外で人気の日本文化「クールジャパン」を引っ張るアニメ業界は、上がらない日本の賃金を象徴する。現場ではアニメーターが締め切りに追われ、低賃金で働きづめだ。そんな「ブラック」のイメージが強い業界に、「ホワイト」な中国系企業が続々と進出しているという。現状を探った。

　東京都心から電車で約40分。東京都町田市のビルの一室でスタッフが黙々とパソコンに向かう。男性はタブレット端末にペンを滑らせ、キャラクターの下絵に手際よく線を引いていた。

　中国の大手アニメ制作「彩色鉛筆動漫設計」が2018年に設立した「カラード・ペンシル・アニメーション・ジャパン」のオフィス。日本のアニメ業界との業務提携窓口として、中国で放映される作品や日本のゲームアプリのアニメーションなどの制作を担う。スタッフは日中、ベトナム、イタリアの17人がそろう。

　日本の業界では、アニメーターの大半はフリーランスで、最低賃金の適用を受けない業務委託契約が多い。動画制作者は平均年収125万円（平均27歳）という調査結果もある。

　「給料を時給に換算すると100円を切る人や、深夜に別のアルバイトを掛け持ちする人もいる」。カラード社設立を支援した広告代理店「日宣」（東京）の中山隆央さん（36）が明かす。

　カラード社は制作に集中できる環境を整えるため、アニメーターを正社員雇用し、住宅手当や交通費を支給。新卒の平均年収は約250万円と業界水準より割高だ。就業はフレックスタイム制を導入し、締め切り前でも残業する人はほとんどいない。「アニメを見る人に楽しんでもらうには、作り手の心が満たされていないといけない」と同社。

　日本のお家芸とされるアニメ制作だが、近年はカラード社のほかにも複数の中国系企業が進出。働きやすい労働環境を提供し、一部の人材が流動している。

　「背景にはアニメーターのやりがいを搾取するような業界の慣習がある」。帝国データバンクの飯島大介さん（30）が指摘する。飯島さんによると、日本では出版社、放送局などが制作費を分担して出資する「製作委員会」方式が多い。予算が限られ、ヒットしても低い単価で請け負うアニメーターには収益が還元されにくい仕組みだ。

　一般社団法人「日本アニメーター・演出協会」（東京）が19年にまとめた実態調査では、約380人（平均年齢約39歳）の回答者のうち、正社員は14・7％に過ぎず、フリーランスが50・5％。年収が100万円以下の人も1割近くいた。

　「フリーランスで社会保障もない」「報酬の割に絵柄が複雑すぎて量産できない」「若者を使い捨てにせず、ちゃんと教育してほしい」－。調査には現場の悲痛な訴えが寄せられる。飯島さんは「技術の伝承や世代交代も進んでいない。中国系企業が成長すれば、日本のブランド力を揺るがしかねない」と懸念する。

　もっとも、日本の制作現場にも変化の兆しがある。アニメ「鬼滅の刃（やいば）」や新海誠監督の「天気の子」などの大ヒットを機に、制作費を投じれば成果につながるという意識が広まっているという。動画配信サービスの急成長や、海外市場の拡大も追い風だ。

　「メーカーも、積極的に制作費を上げないとまずいと感じ始めている」。日本アニメーター・演出協会代表理事で、アニメ監督の入江泰浩さん（51）が語る。入江さんが20代のころ、アニメーターは「滅私奉公」が当然で、低収入は自らの技術不足が原因と考えた。「それではいい作品はできず、仕事も長続きしない。業界は過渡期にあり、労働環境を見直す機運が高まっている」

　（山下真）

毎度だけどこの手の動画や新人や若手でキャリア不足の人が担当する動画を混ぜて
アニメーターはブラック稼げないってミスリード狙うのどういう人達なんだ？
中国が働きやすい、金出してる、ってそれ動画ちゃうからな
日本はブラックで金出さないのは動画、中国は金出すホワイトそれ動画以外

知識ないと騙されるんだろうし、それが狙いなんだろうね