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近年、いわゆる「ご当地」が深く関わるアニメが次々に生まれています。特に印象的だったものだけ振り返っても、30分枠全12話をやり遂げた『シキザクラ』(東海エリア)、群馬県製作ながら破天荒なネタで視聴者を驚かせた『ぐんまちゃん』(群馬県)、幻想的な雰囲気で魅せた『でーじミーツガール』、そしてアグレッシブな試みが目立つ放送中の『むさしの!』(埼玉県)などなど……挙げていけばキリがありません。
そんななか、特に目立つのが今回紹介する千葉県に関するアニメです。いずれもご当地愛を感じられるのはもちろん、それぞれに独自の面白さを持っているのも大きな魅力。全国区のアニメもいいですが、たまには少し変わった味わいに溢れる千葉アニメを楽しんでみてはいかがでしょうか?
●『超普通』シリーズ
2015年にクラウドファンディングによって始まった市民制作ご当地アニメ『超普通』シリーズ。これは実在する街を舞台に、女子学生と不思議な生き物が地域の魅力をゆるく発信するシュールギャグ作品です。
2020年夏までは柏市が舞台の『超普通都市カシワ伝説』が第3期まで制作されていましたが、その後は第2部として柏市以外のご当地も扱うことに。千葉市や松戸市、鎌ケ谷市、東葛地区などを扱う作品がそれぞれに進行するビッグプロジェクトとなっています。このシリーズの作品はYouTubeで観られます。
●印西あるある物語
『印西あるある物語』は、印西市のPRプロジェクト「MAKE INZAI ORIGINAL」の特設サイトに掲載されている中村ゆうひさんの4コママンガを原作としたアニメ。2022年1月14日にYouTubeで公開されました。
内容は印西市に住む10歳の女の子・印と同市に不時着した宇宙人・アルが、宇宙船を動かすために必要な「あるあるエネルギー」を探すために奔走するというもの。市民から集めた「印西あるあるネタ」が満載というニッチな内容ながら、今回紹介するなかでは一般的なアニメにもっとも近いテイスト、18分1本だけという短さから見やすさは抜群。多くのアニメファンにおすすめです。
●とーがね!おまつり部
『とーがね!おまつり部』は東金市に戻ってきたお祭り好きの女子高生・栃野みのりが主人公のアニメ。彼女と友人たちが、街から消えてしまったお祭りを復活させ、東金の商業の中心であった駅西側をふたたび盛り上げようとする物語です。
「スタッフ&キャストに予算のほとんどをつぎ込んだ、動か(け)ないアニメ」という自虐どおりビジュアル面はなかなか衝撃的ですが、キャラクターはかわいらしく、話もしっかりしており全12話観る価値は充分あり。この作品はYouTubeで公開されており、「公開は1週間の予定です。」という注意書きがありながら今でも公開中という状況。いつ公開が終わるか不明なため、気になる人は早めにチェックを。
●あの世のすべては、おばけぐみっ!
2019年7月からしばらくチバテレの音楽バラエティ番組内でいくつかのショートアニメが放送されていましたが、その内のひとつがこの『あの世のすべては、おばけぐみっ!』。西洋から日本の妖怪学校に転校してきた吸血鬼少女のラクルが、クラスメイトの妖怪と一緒に学校を立て直すコメディ作品です。
このアニメの枠は放送番組や放送局(なんとテレビ埼玉!)の変更など紆余曲折をたどるのですが、なんと2022年10月からは本作をリニューアルした『元祖!あの世のすべてはおばけぐみっ!』がチバテレなどで放送予定。と言ってもこれまで通りだと配信はされない可能性が高いため、視聴はやや難しめとなりそうです。またご当地を舞台にしているわけではありませんが、近年の千葉のアニメを語るのに外せない存在だけに、もし千葉県など視聴できる地域にいる場合は観ておいて損はないでしょう。
(はるのおと)
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