【ガンダム】ガンダム史に輝く屈指の名機「ジェガン」の名シーン3選 『逆襲のシャア』から『F91』まで長期運用された量産機の魅力とは?

そんな中、ふと飛び込んできたのが市街地の消火活動を行う「ジェガン」の姿だ。1988年公開の映画『逆襲のシャア』で初めて映像作品に登場したジェガンが、2021年公開の最新作に出てきたことに感慨を覚える。それによく考えたら、劇中の時系列で見れば『閃光のハサウェイ』よりさらに未来の『機動戦士ガンダムF91』の世界にもジェガンは登場していた。

細かなバージョンアップはされているものの、宇宙世紀にして約30年以上もの長期間にわたって正式運用された量産機というのは、おそらくジェガンくらいではないだろうか。

そこで本記事では過去の映像作品に描かれた、名機ジェガンの印象的なシーンについて振り返ってみたいと思う。

■ジェガンにおける最大級の戦果?
先にも触れたとおり、映像作品にジェガンが初登場したのは1988年公開の映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でのこと。ジムやネモを発展させた量産型モビルスーツという設定のジェガンは『機動警察パトレイバー』のメカデザインを手がけた出渕裕氏が関わっていることもあり、どことなくイングラム風のフォルムなのが印象的だ。

劇中ではブライト・ノアが率いる「ロンド・ベル隊」の主力MSとして運用されたが、その最大の見せ場は激戦のどさくさに紛れて、ハサウェイが無人のジェガンを無断拝借したあとに訪れる。

ハサウェイにとって友軍であるチェーン・アギが、ネオ・ジオンのクェス・パラヤが乗る「α・アジール」を撃墜したことでハサウェイが逆上。ジェガンのビームライフルを乱射して、チェーンの乗ったリ・ガズィのコクピット付近を撃ち抜いたのである。

ジェガンが劇中の主要機体を撃破した場面はあまり記憶になく、もしかすると最大の戦果（と言っていいのか謎だが）はリ・ガズィの撃破……ということになるのかもしれない。正直いろんな意味で複雑な気持ちにさせられた、忘れがたいジェガンの撃破シーンだ。

■最高にカッコいいジェガンの戦闘描写
さまざまなバリエーションのジェガンや上位機種であるジェスタなどが登場したのが、OVAの『機動戦士ガンダムUC』である。そのエピソード1で、ニュータイプ専用機「クシャトリヤ」と激突したのは、ロンド・ベル隊に属する特務仕様のジェガンD型2機とスターク・ジェガンだ。

強化人間のマリーダ・クルスが乗るクシャトリヤは、遠距離からファンネルを射出。この攻撃でジェガンD型の2機は撃破される。しかし、スターク・ジェガンのパイロットはまったく怯まず、即座にクシャトリヤに向けてバズーカで反撃。さらに両肩に備えたミサイルを射出すると、拡散弾によりファンネルの動きを牽制した。

ミサイルを撃ち切ったスターク・ジェガンは、両肩に備えるミサイルユニットをパージ。機体を軽くして機動性を上げると、最速でクシャトリヤとの間合いを詰める。両者が交錯すると互いにビームサーベルをぶつけ、互角の近接戦闘を繰り広げた。

結果的にあと一歩のところでスターク・ジェガンは撃墜されてしまったが、ジェガンシリーズでワンオフ機と堂々と一騎打ちを行い、五分の戦闘を展開したのはこのスターク・ジェガン（と、それに搭乗した名もなきパイロット）だけだろう。ジェガンであることを除いても最高にカッコいい、しびれる戦闘シーンだったと思う。

ちなみにOVA『機動戦士ガンダムUC』には、ジェガンのバリエーション機体が多数登場。とくに肩に大型対艦ミサイル4門を備えた「プロト・スタークジェガン」、ミリタリー風の独特のカラーリングと細部の造形が渋すぎる「ジェガン エコーズ仕様」、偵察に特化したセンサーユニットやカメラユニットなどを備える「EWACジェガン」あたりは造形デザインがたまらなく素晴らしいので、ぜひ映像でご確認いただきたい。

■ジェガン最強の機体も時代の波には勝てず!?
ガンダムの映像作品内にて実戦配備されたジェガンの姿が描かれた、おそらく一番最後（作中の時系列的に）の作品にあたるのが映画『機動戦士ガンダムF91』だ。宇宙世紀0123年が舞台なので、ジェガン初登場の『逆襲のシャア』から30年以上が経過していることになる。

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