【3月28日 AFP】「ニンジャ(Ninja)」の名で知られる米国人プロゲーマー、タイラー・ブレヴィンス(Tyler Blevins)さん(27)が数億円稼げる仕事を始めたのは、シカゴの両親の家の地下室だった。
ブレヴィンスさんは動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」やライブストリーミング配信「ツイッチ(Twitch)」で、大ヒットしたオンラインゲーム「フォートナイト(Fortnite)」をプレーする様子をライブ配信し、350万人にも上る若いフォロワーから億万長者やロックスターのような称賛を集めている。
ブレヴィンスさんは、サッカー選手のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)さんやラッパーのドレイク(Drake)さん、トラヴィス・スコット(Travis Scott)さんといったスポーツ界や音楽界のスーパースターらと交流し、飲料メーカーのレッドブル(Red Bull)と巨額の契約を結んでいる。
ツンツンと立った青い髪、危険なほど青白い顔、早口で神経質に話すニンジャのことを知る30代以上はほとんどいないが、フォートナイトのおかげで若者の間では世界的に知られている。ブレヴィンスさんの収入の大部分は、ストリーミングを見たファンが出すドネーション(寄付)が占めている。
ブレヴィンスさんはフォートナイトと出会ってから人生が上向きに変わったと語る。2017年に配信を開始したフォートナイトは、100人のプレーヤーが対戦するゲームで、プレーヤー人口は2億人に上り、常に800万人以上がプレーしているという。
ブレヴィンスさんはフォートナイトについて「面白いし、新鮮だった。無料なのがいい。ほれ込んだ」と語る。「利益を生まなくなるまでフォートナイトは続けるつもりだ。すぐになくなってしまうことはないだろう」
ブレヴィンスさんは当初、賞金狙いでフォートナイトをやっていたが、それはもう過去の話だという。
■月収約5500万円
ブレヴィンスさんは、1か月に約50万ドル(約5500万円)をライブ配信で稼いでいる。「以前は四六時中(フォートナイトを)プレーしていた。だが、うまくライブ配信のスケジュールをこなしながら、競技に参加するのは非常に難しかった」と語った。
「配信をしない日があると、視聴者は別の誰かを探し始める」とブレヴィンスさん。「配信を続け、記録を更新し、視聴者を楽しませたいと思った」
「ライブ配信のスポンサーを獲得して、その企業の製品を宣伝すれば、広告収入が入る。単純なことだ」
■ゲームだけの日々は過去のものに
ブレヴィンスさんのプロとしてのキャリアは、シカゴの実家の地下室で8年前に始まった。現金収入が増え続けると、両親はブレヴィンスさんが夢中になっていたゲームで稼ぐことができるということを徐々に理解し始めた。
「それは19歳のときだった…まるまる1年間ライブ配信をすることにした。母に、もしこれで最低賃金以上を稼げたら、プロとしてやりたいと告げた。もし稼ぎが最低賃金以下だったら大学に戻ると言ったので、母は大賛成してくれた」
「両親は乗り気ではなかったが、小切手はうそをつかない。2人とも最初は現実離れした話だと思っていたようだ。でも、いったんお金が入り始めると、前よりは理解できるようになった」
「いつも地下室にいて、(フォートナイトの前に夢中になっていたゲーム)ヘイロー(Halo)の練習やプレーをしていた。上階からパーティーや家族が集まっている声が聞こえることもあった」「ゲームを一緒にやる以外、友だちと遊んだことはなかった」
だが、ゲームだけの日々は終わった。今は普通の家庭生活や人との交流を楽しんでいるという。「かつてないほど、妻と一緒に自分の家族と過ごす時間を増やしている」 (c)AFP
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https://www.afpbb.com/articles/-/3218019
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