【旅】「なぜかダラダラいてしまう」話題の「車中泊マンガ家」がハマった沖縄の空気感　予定を超えて滞在中

全国各地を車中泊で旅した自身の体験を描いた漫画「今夜は車内でおやすみなさい。」で話題の漫画家、小田原ドラゴンさん（５１）が４月１９日から沖縄を訪れている。売れない漫画家から抜け出そうと一念発起した車中泊の「体験記」は、同年代を中心にじわりと人気が高まっている。沖縄でも執筆活動を展開し「ダラダラと沖縄を満喫しながら描きたい」と笑顔で語った。（社会部・東江郁香）

■昨年から日本一周
小田原さんは兵庫県明石市出身。２６歳の時に漫画雑誌「ヤングマガジン」の月刊賞に応募した作品が奨励賞に輝き、以降、同誌で連載を飾った。

現在の車中泊漫画は単行本４巻まで発売中。同誌のウェブサイトでも読める。今後は沖縄での車中泊体験も描く予定だ。

同誌のウェブで新たに連載をすることになった２０２１年３月、漫画のネタ探しのために車中泊での日本一周を始めた。

■沖縄の雰囲気は？
場所や滞在期間は設定していない。自由気ままな旅は神奈川からスタート。

新型コロナウイルスによるまん延防止等重点措置期間中は自宅に戻ったが、これまで北海道や四国などを巡り、１９日に４０都道府県目となる沖縄に入った。

初めて訪れた沖縄での生活は「とにかく暑い」と苦笑い。

沖縄の雰囲気に「あくせくしなくてもいいと思わされ、なぜかダラダラいてしまう」と話し、１週間の滞在予定は大幅に超えて沖縄を出る日は未定だ。

■道の駅で出会いも
豊見城市の「道の駅豊崎」で単行本の販売中、ファンの男性が訪れた。

うつ病だという男性は、小田原さんの体験記が疑似体験になり「漫画を読んでリフレッシュになる」と話し、新しい出会いも生まれた。

漫画を通して「閉塞（へいそく）感を感じる同年代に、元気を与えたい」と語る小田原さん。「自分が勝手にやっていることが誰かの力になってうれしい」と沖縄の旅に胸を躍らせた。

(写真)車中泊で日本一周している漫画家の小田原ドラゴンさん。車内には寝るためのマットレスの他、執筆に必要な座椅子やパソコン、バッテリーや簡易冷蔵庫まで積まれていて、快適だそうだ＝２３日、那覇市